琉球には日常の生活や特別な儀礼に用い5 れた様々な器や道具があり、乙れらの多くは、漆器や陶器で作られていました。沖縄では漆を生産しませんが、年閏をつうじて高温多湿な気候を生かして、漆器を作りました。漆の器は儀礼に使われた道具の外に、中国や日本への献上晶などが古んきんらでんついきん除くえみつだえあり、沈金、螺錨、堆錦、箔絵や密陀絵などの技法で作られました。
潤塗葡萄栗鼠箔絵螺鈿料紙箱・硯箱
潤塗りとは黒か朱の漆に弁柄を混ぜて塗る技法で、す。葡萄は蔓を延ばして多くの実をつけることから、子孫繁栄を意味する吉祥文として中国で好まれました。
黒漆蓄荷堆錦軸盆
盆は指物で杉を材料としています。
中央にパラを配し、その周りに巻子、珊瑚、笠、団扇など吉祥をあらわす文様が堆錦の技法によつてあしらわれています。〔沖縄県指定有形文化財〕
出典:沖縄県立博物館・美術館展示ガイドより
■乾いた木の音から映像が始まる
■撮影協力:紅房
ナレーション:
沖縄は漆器の生産に恵まれた自然条件にあります。つまり沖縄の高温多湿な気候は漆の乾燥に最も適しており、強烈な太陽の紫外線は鮮明な朱漆の色を誕生させました。
素地としてデイゴ、シタマキなど地元から採れる木材が利用されています。漆器の技法は14~15 世紀頃、中国から伝わりったと言われ、15~16 世紀の間に首里王府は漆器を司る貝摺奉行所を設置し本格的な製作を行ったようです。これは、堆錦という技法で中国にあった技術を改良して作られた沖縄独自の技法として知られています。